JR北海道 キハ283系 特急「スーパーおおぞら」

  

札幌−釧路間を一挙に45分も短縮、同区間を日帰り圏内に変えてしまった驚異の特急「スーパーおおぞら」。
高速化・振り子車とくると「車内設備と座席の軽装化」がすぐに浮かんでしまうのですが、さすがそこはJR北海道。
前作「スーパー北斗」で培ったものをこのキハ283系で完全開花させ、在来線特急最高級のサービスを展開。
「ハード」と「ソフト」の完璧な両立は、空路から客を呼び戻し、再び鉄路へと定着させる「伝説」となりました。

唸るハイパワー・モンスターエンジン、豪快なエグゾースト、ハイスピードで目まぐるしく移る車窓。
それをゆったりとした座席に身を委ねて・・・・ 北の大地の旅は、このキハ283系乗らずして語ることはできません。



グリーン車

「在来線グリーン最強シート」の座を、JR九州787系と争うほどのウルトラスペックを誇るキハ283系のグリーン席。
すでに「JR車両」などというレベルは超越し、「国際線ビジネスクラス」のレベルに届こうかというゴージャスさです。

車内は1+2の3アブレストで、キハ281系と同じく客室中ほどで2+1配置が点対称に逆転する配列構成となっています。
「スーパーおおぞら」で釧路間近の頃、車窓に太平洋が望めるのがA席側となるので、
一人旅の時はぜひ1A〜5A席の指名買いをおすすめします。(5D〜9D席は山側となります。)
ちなみに5A席と5D席は2+1配列が逆転する場所になるので、両脇が1人掛け席となっています。
座席脇のマガジンラックにちょっと物を置くことができ、プライベート感がかなりあることから
常連利用者・座席マニアの一番人気となっています。

座席はリクライニング・フットレスト・AVサービス・ランバーサポート・可動式ピローに加え、
なんとフリーストップ式の電動レッグレストまで備えるという前代未聞の付帯装置攻勢。
リクライニングは電動式で、高級乗用車のような気分です。傾斜は128度まで倒れ、もちろんフリーストップ式。
レッグレストやピローといった付帯装備、そしてこれらのコントローラーが手元に来るようになっていることから、
座席自体が「寝ること」を主眼においた設計のようです。

レッグレスト展開状態の画像が1枚もないのですが、このレッグレストはセンサー式になっていて、
板面に掛かる重さがなくなると自動的に収納されるようになっています。
ピローとランバーサポートは、手動で上下に可動。自分の好きなポジションでセットすることができます。

これらの豪華設備に加え、さらにツインクルレディさんによるドリンクや毛布貸し出し・新聞サービスまであります。
1年中を通して、「スーパーおおぞら」の指定席はグリーン席から売れていくというのも納得ですね。


キハ283系は、これまでに5回の増備が行われていて、すでにかなりのインテリア・バリエーションが発生しています。

1次車は1997年の「スーパーおおぞら」登場時の量産初期車。2次車は1998年の「スーパー北斗」増発用増備車。
3次車は1998年下期の「スーパーおおぞら」増結用車両。4次車は1999年の、同じく「スーパーおおぞら」増結用車。
そして5次車は2001年、釧路特急の完全「スーパーおおぞら」化に伴う20両増備、という順で陣容を増やしてきました。

キロ282-1〜5(当初のキロ283-1〜5)は天井荷物棚がオープンタイプで、電動開閉式のカーテンを装備しています。
(ただし、検査などで工場へ入場した際に、電動カーテンは順次取り外されている模様?)
5次車のキロ282-6〜8は、天井荷物棚に扉が付いて航空機のようになりましたが、電動カーテンは廃されています。






普通車

ゴッテリと重厚感あるグリーン席に比べ、普通車はとても清楚で大人しい雰囲気です。
モノトーンのインテリアに、「タンチョウ」をイメージした赤い取っ手がアクセントになっていて、なかなかいい感じ。
揺れる車内を歩く時にこの「赤」が大変目立つので、バランスを崩した一瞬に「ハッ!」と手を伸ばすことができます。
座席をよ〜く見ると、モケットにも「空を飛ぶタンチョウ」が織り込まれていて、けっこう手の込んだものになっています。

座席は長距離移動を念頭に置いた設計のようで、全体のホールド感はなかなかのもの。
見た目にランバー部分の詰めが甘そうなのですが、実際に座ってみるとかなりフィットします。
もうホンのちょっとリクライニング量を大きくしてくれると嬉しいのですが、ピッチ960mmではこの角度が限界でしょうか。

車椅子対応席は「スーパーおおぞら」で4号車、「スーパーとかち」で3号車になります。
デッキ仕切りドアは観音開きとなっていて、間口を大きく取っています。
車椅子席の直後となる席の通路側席は、前の席の背面テーブルがなくなってしまうためインアームテーブルを装備。

全ての座席に跳ね上げ式のフットレストを装備。 残念ながらコンセントのある席はありません。


この普通車座席も増備時期によって、インテリアに若干の差異が発生しています。
座席の肩の部分に赤い取っ手があるのが1・3・4次増備車。ポッコリした半球形の取っ手は5次増備車。
5次増備車の座席は、781系「uシート」に準じた座席になっていて、ヘッドレスト部分の張り出しが大きくなっています。
また背面のテーブルが大型になっており、使い勝手がよくなっているのも特徴的。



そして、2次車は函館特急「スーパー北斗」用として増備されたことから、キハ283系にしてキハ281系風味になっています。
座席自体はキハ283系「スーパーおおぞら」仕様と同タイプなのですが、
モケットがキハ281系「スーパー北斗」仕様になっており、なんとも不思議な印象を受けます。

ちなみに、この画像は「スーパーとかち」を「帯広駅」で撮っています。
「北斗」系統用にわざわざ差別化を計ったようですが、JR北海道お得意の柔軟な車両のやりくりには無意味だったようで、
逆に「スーパー北斗」にタンチョウ柄の車両がガンガン使われているのも、日常のこととなっています。






バゲージスペース
 後述のミニラウンジスペースの対面には、荷物収納スペースが設置されています。
 棚は折り畳みが可能で、冬季のスキー板・スノーボードなどの大型持込荷物の収納が可能となっています。
 客室から離れていて(しかも出入り台を挟んださらに向こうという遠さ)、目の届かない距離感から、
 スーツケースや旅行カバンといった手荷物を置くにはちょっと不安感があります。





サニタリー

キハ283系には独立した「洗面台」というものはなく、すべて個室内に洗面台がビルトインされています。
トイレは全てが洋式。男性用以外の個室には全てベビーベッドが完備され、洗面台もしっかりした造りになっています。

車椅子対応の個室は最近のトレンドに沿って、デッキ通路を片側に寄せた大型の設計になっています。






デッキ

トイレが設置されていないデッキには、前述の大型荷物収納スペースとミニラウンジが設けられています。
「ラウンジ」と言っても、簡単なスタンドカウンターがあるだけですが、
787系つばめの「ビュッフェ」にあったような大型のハイトタイプウィンドウが設置されており、
長距離移動の息抜きの場として充分に利用価値のあるスペースに仕上がっています。
グリーン車デッキの「ミニラウンジ」はちょっと腰を掛けられるクッション付き。

なお、カウンターに灰皿が設置されていますが、北海道の特急は2006年3月より全面禁煙となったため、
このスペースも禁煙となりました。灰皿は順次撤去されるものと思われます。







車掌室

 グリーン車にある車掌室は、「スーパー北斗」譲りのオープンカウンター方式。
 スポット式の照明の効果もあって、まるでホテルのフロントカウンターのようです。








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