JR九州 787系 TSUBAME LIMITED EXPRESS
特急「つばめ」
 (グリーン車・トップキャビン・サロンコンパートメント)

(普通車・セミコンパート・ビュッフェなどはこちらから)

  

伝統の愛称を引っ提げて、1992年に突如復活した特急「つばめ」。
歴代の特急「つばめ」がその時代の最高の設備とサービススピリットに溢れていた以上に、
この787系「つばめ」も「鉄道車輌」をいうものを根底から覆すほどのフォルムとインテリアを持って登場しました。

日本国内のみならず、世界の鉄道界からも絶賛され、多くの賞を獲得した「革命」的車輌です。


※※※ 現在787系は全て「リレーつばめ」仕様「ありあけ」仕様にリニューアルされ、ここで紹介するインテリアの車両は現存しません ※※※






オープンキャビンは、およそ車輌の半室分。
大型ハイバックシートとシートピッチは余裕の1,200mm。日本鉄道史上でも稀に見る「ゆとり」の空間が誕生です。

アルミパネルと緩やかな曲線を描くハットラックは、今でも新鮮さを失っていません。
現在は「リレーつばめ」仕様にリニューアルがされて、室内の雰囲気が一変しましたが、
このシックなモケットとカーペットとメタリックなアルミパネルが織り成す独特な雰囲気が好みというファンは多いはずです。

座席は言うまでもなくフリーストップリクライニングシート。テーブルはインアーム式のみを装備。
壁面には「ちょっとした小物置きに」と、曲面木目テーブルが用意されています。

この座席の特徴は、なんといってもバックレストとヘッドレストも任意に位置で可変できること!
新幹線のグリーン車ですら、過去にこのようなシートを採用した例はありません。
これなら「背」は倒して「頭」は起こすといった、最もくつろげる態勢を自然に維持できます。

モケット柄は2種類が存在し、1次量産車と4次増備車が幾何学模様のシルバーブラウン系のモケットなのに対し、
2・3・5次増備車は細かい花柄を複雑に絡ませたブラックブラウン系のモケット(トップキャビンと同種)になっています。


この豪華装備のグリーン席の付加価値をさらに高めたのが、衰退し始めていたオーディオサービスと手厚い人的サービス。
オーディオサービスは常に4チャンネルほどが用意され、イヤホンも無料で貸し出しサービスが行われていました。

そしてやはり「つばめレディ(現:つばめクルー)」の存在なくして、この「つばめのグリーン車」は語れません。
乗車時にはドアの脇に立ち、一人一人の乗客に挨拶をするグリーティングに始まり、
列車が発車すれば、車内改札と同時にドリンクのオーダーを取り、さらにおしぼりやイヤホンを配って廻ります。
ドリンクサービスは常にアイスとホットが数種類が用意され、夏でも「日本茶」が飲めたのが個人的に高ポイントでした。
このドリンクが「つばめ」オリジナルのカップでサービスされる点に「スペシャリティ」を感じた人も多かったことでしょう。

さらに新聞や雑誌の貸し出しや、膝掛け毛布は冷房に弱い人のために夏でも用意されていました。
余裕のある時には、ビュッフェのデリバリーオーダーなんかも頼むことができて、まさに「地上のファーストクラス」でした。

ちなみに、夜間運転の夜行特急「ドリームつばめ」「ドリームにちりん(787系時代)」のグリーン車では
サービスレディさんの乗務がなかったのですが、車掌さんによって「おやすみグッズ」が配布されていて、
グリーン車乗客への“特別な配慮”にはスキのないサービスを行っていました。




デッキは乗客がまず最初に足を踏み入れる場所。言いなればデッキの印象が「ファーストインプレッション」となるわけです。
凡庸な印象しか持ち得ないデッキが、「787系つばめ」ではしっかりこだわりの空間になっています。

グリーン車のデッキは、一面を深みを帯びたブルーのアルミパネルで構成。
さらにオリジナルデザインの灯具で、照明でも抜かりなく雰囲気作りを行っています。

デッキからサロンコンパート(グリーン個室)通路を通り抜けオープンキャビンへと繋がるアプローチ部分は、まさに圧巻!
まるでホテルのようで、「あっぱれ! 鉄道車両でよくここまでやってくれた!」との一言に尽きます!





−TOP CABIN−


オープンキャビンの一番奥、ガラス戸の向こうは「トップキャビン」。
4人ボックスと2人ボックスで構成され、大型のテーブルを中心に配した「走る会議室」です。
室内の広さは約7平方メートル。運転室の直後にありますが、前面展望は考慮されていません。
しかし、最高級のシートの座りごこちと人的サービスは「パノラマ」を補って余りあるほどです。

ヨーロッパの高速鉄道のファーストクラスのように向かい合わせに座席を配置。
木目の折り畳み式の大型テーブルを備えています。リクライニング機構は、オープンキャビンの座席と同じです。

2人掛け座席の回転は出来ませんが、1人掛けの座席は、内側へ30度ほど向きを変える事ができます。
最大6名でこのスペースを使った場合を想定しての機構で、会議室としての利用なども考えられますが、
この機構自体があまり知られていないようです。(特に車内で案内もしていませんが)

トップキャビンの壁面には、ブルーリボン賞受賞プレートが飾られています。
787系「つばめ」は、1993年のブルーリボン賞受賞車。
300系「のぞみ」や400系「つばさ」といった強豪を打ち破っての受賞でした。
さらに、世界鉄道デザイン大賞「ブルネル賞」、「グッドデザイン賞」「ライティングコンテスト大賞」など、
鉄道用車輌としては異例ともいえる、多くの賞を受賞しました。






−SALON COMPART−


こちらは「サロンコンパートメント」。デッキからオープンキャビンへのアプローチ部に設けられています。
リクライニングシートとソファーを装備して、一時期大流行した欧風客車の個室とよく似ています。
「トップキャビン」とは異なり、完全な個室形式。最大で大人4人での利用が可能です。
しかし室内の広さ約6平方メートルやソファーの大きさから見ると、ゆうに大人6人は入りそう。

「つばめ」のこの個室は、他のJR特急の個室が定員販売されるのに対して部屋単位で換算して販売されるので、
例えば1人でこの個室を使う場合、1人分の乗車券とグリーン券と個室料金を払えば使え、
定員分の差の子供料金を払う必要はありません。

夜行特急「ドリームつばめ」で利用すれば、ソファーで横になって寝ることも…?!





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