教育実習

2003.7.29


教育実習・・・教員になるための第一の試練

2002年
5月1日
(水)
 大学3年の春、母校へ来年度の教育実習の受け入れを依頼。
 中学3年生当時、応援団の担当の先生が教育実習の担当だった。
 自分の学年の先生はすでに一人も残っておらず、知っている先生はわずかに4人。
 この日、たまたま挨拶が同じだった教育実習生が一人。
 同じ社会科だったが、中学の学年にして一つ上のだったため、顔を見たことがある程度。
 彼はMさん。

2003年
4月2日
(火)
 年度が変わり、母校では教育実習の担当である教務主任が異動となり、
 教育実習の日程確認を兼ね母校へ電話をかける。
 改めて挨拶は来なくてよいとのこと。
 教育実習の日程は5月19日からの3週間。
 6月からだと思っていたため、予想外の早さに動揺。
 打ち合わせの日程については後日連絡があるらしい。
 実習生は全部で4人いることを知る。(教科等については不明)
 担当の教務主任はS先生、知らない先生だったが親切な方である。

4月30日(水)
 母校から電話。
 しかし、私は仙台にいたため電話を受けられず。母が対応。
 打ち合わせは7日らしい。

5月7日(水)
 母校での打ち合わせ。
 実習生は全部で4人。
 社会科が2人。私は2年生、Mさんは3年生担当。
 あと2人は1年生の理科担当のA君、2年生の美術担当のK君。
 この2人は中学の学年でも同級生のため知り合いであり、A君とは小学校でのクラスメイト。
 MさんもA君もK君も授業は2学年以上を担当するのだが私は2年生のみ。
 しかも、社会科で2人、2年生で2人と仲間が多い。
 さらに、K君は1週間早く始まり、A君は1週間遅く終わるという4週間だが、
 私とMさんは3週間である。
 指導教官はM先生。中学2年生のとき歴史を教わった先生だった。
 話しているうちに私のことを思い出してくれたようだ。
 知っている先生ということもあり、いくらか安心した。

5月16日(金)
 再びM先生との打ち合わせ。
 大体の教壇実習の日程を決め、精錬授業の日時を決めた。
 3週目の最後には2年生が林間学校に行ってしまうため、
 学年主任でもあるM先生が忙しいということもあり、
 精錬授業は2週目の金曜日、2時間目に担当学級でやらせてもらうことになった。
 3日目から教壇実習が始まる。
 緊張と不安が大きくなった。
 しかし、将来の職場になると思うと、不安がってもいられず、楽しみたいと思うようになる。
 帰りに、すでに実習が始まっているK君に会うため、実習生の控え室に行った。
 他の実習生も同じ部屋であり、そこは2年生の教室がある3階にあった。
 K君はかなりリラックスモード。

5月19日(月)
 実習初日。
 朝、レク協会の先輩であり、教員2年目のEさんからメール。「心に余裕をもて」
 出勤し担当学級の2年1組の朝の会での挨拶。
 人前で話をすることは決して苦手ではないはずだが、緊張のあまり、ほとんどしゃべれず、
 休み時間に生徒と楽しそうに話すK君を見て、
 「1週間後は自分もああなっていられるのだろうか・・・」半分は嫉妬だと気づく。
 この日は校長先生による実習における心構えについてのお話と
 教務主任のS先生による教育課程の編成についてのお話が1時間目と2時間目にあった。
 校長先生に自分の最終目標は小学校の教員だということを
 実習初日で伝えてしまったのは失敗。
 実習をさせていただく心構えは甘かったということを痛感。
 S先生のお話で、学習指導要領の改訂で現場での授業のやりくりが大変だということを知る。
 この日の3・4時間目はM先生は授業がなかったため。私も空き。
 午前中はのんびり過ごしてしまった。
 昼食は給食。
 2年1組へ2度目の訪問。朝はあまり気づけなかったが、
 暖かく迎え入れてくれていることに気づいた。
 5時間目は学活であり、最後の余った時間に質問タイム。
 かなり答えにくい質問ばかりを受けたが、
 和やかなクラスの雰囲気に3週間やっていけそうだと感じた。
 そのためには早く名前を覚えなければ!
 帰りがいっしょになった生徒が2人。1人は2年1組の生徒だった。
 家の方角がいっしょで、初日からばれてしまった。

5月20日(火)
 今日はM先生の授業を参観。
 生徒たちとのコミュニケーションがしっかりと取れていて、
 生徒たちが生き生きと発言していることに感動。
 明日からは私の教壇実習が始まる。うまくできるか不安になる。
 しかし、生徒とはかなり慣れてきて、中学校の教員も良いなと思いが揺らいできたのも事実。
 この日決定的な事件は、毎日今日の目標を朝の会で決めるのだが
 この日の目標が「マンボウ先生(もちろん本当は本名)と一人一回以上話す」
 これには無条件に感動。そして、私自身も名前を覚えてそれに答えることを心に決める。
 しかし、私は最低だった。
 寡黙な子、1人だけその目標を帰りの会までに達成できなかった子ができてしまった。
 つまり、私も目標を達成していないのである。
 もちろん帰りの会後にすぐに話をしたが・・・。

5月21日(水)
 1時間目M先生の授業を参観。
 2時間目教頭先生による生徒指導についてのお話。
 正直に言うとあまり集中できていなかった。
 3時間目、いよいよ教壇実習。朝からそわそわだったが不安と緊張がピークになった。
 そしていざ教室へ。チャイムが鳴り生徒による号令。
 頭の中が真っ白になる。声も震えている。どうしていいかわからない。
 一応、私は授業を進めてい入るが、話す順番を間違えたり、
 板書を写している生徒のことを考えていなかったり・・・
 とにかく心に余裕がなかった。いつのまにか50分が終わっていた。
 この授業での収穫→生徒は予想以上に板書を写すのに時間がかかる。
 M先生には細かく授業の様子をメモしてくださりその後の反省会で細かい助言をいただいた。
 この後もすべての授業の細かな様子を記録してくださり、
 助言も、すぐに実行できるようなものから、私に考えさすものもあり、
 とてもよい指導教官にあたったと思った。
 また、授業はともかくとして、生徒と接する時間はとても楽しく幸せな瞬間であり
 実習3日目にして大学には戻りたくないと思っていた。

5月22日(木)
 毎日が新しいことばかり。
 今日から朝の会と帰りの会の連絡を担当。
 はじめは、先生のフォローがありつつではあったが、前ではなすことには抵抗はない。
 また、スクールライフという生徒と先生とのコミュニケーションの媒体であるノートへの記入も
 担当させてもらった。
 生徒の違った一面を垣間見ることができたりして面白い。
 直接言葉のコミュニケーションを取る機会が少ない日があったとしても、
 それを少しは補えるようになった。

5月23日(金)
 この日は45分授業で午前中のみ。
 中学生として考えたときに5分短縮はとてもうれしい。
 しかし、教師として授業の展開する身となってこの5分間の大きさを痛感。
 今まで、時間に終われて授業をやっていたので5分短いというのは
 すなわち予定を終わらせられないということをさしていた。
 今日やる授業の単元は教壇実習での初めての単元ということもあったため
 そのときよりは心に余裕があったため、5分短くても何とか終わらせることができた。
 また、この日先生の大変さを垣間見たことがもうひとつあった。
 一昨日と今日やった単元が同じ、でも昨日はその先の単元だったため、
 頭の中で教科書を行ったり来たりで混乱してしまった。
 これが同じ日だったりしたら頭の切り替えがうまくいくだろうかと心配になった。
 当然、3週間の実習中にそんな日は何度もある。
 M先生曰く「これが学年を超えていたり、場合によっては教科が違うこともある。」
 「それを補うのは生徒とのコミュニケーション!」
 他の実習生は学年を終えて授業を持っているのですごいと思った。

5月26日(月)
 教材研究に追われた土日をあけて久しぶりの学校。
 教材研究がなければ、土日はいらないとさえ思っていたほど待ち遠しかった。
 今週は精錬授業もあるので、教壇実習でも慣れていかないといけない。
 M先生からのアドバイス「授業の山は生徒によって作られるべし」のとおり、
 自分が予定していたものをやり終えることに追われていてはダメなのである。
 生徒の発言を導き出し、かつ、それをうまく利用して行くというゆとりを持たなければ。

5月27日(火)
 生徒とのコミュニケーションにおいて、自分の中で問題が発生。
 2年1組の中でも私に積極的に話し掛けてくる子もいればそうでない子もいる。
 生徒としては当然である。
 しかし、私自身も話し掛けてくる子に大して話し掛けていることが多いようにも思った。
 その点では不平等ではないかと・・・。
 M先生に相談したら曰く「教師は平等よりも公平に接すべき」

5月28日(水)
 精錬授業で扱う単元の授業が始まった。
 初めての単元というのはいつもうまくいかない。
 実習生としては精錬授業に照準を合わせればいいのだが、
 実習生といえども、生徒にとっては教員であり、
 その単元をわからないままにしておくことはできないのだが
 練習の場というようになってしまったのは否めない。生徒に対して申し訳ない。
 でもM先生曰く
 「自分もその単元の初めてのクラスよりも最後のクラスの方が上手く展開できる」
 そういわれたからといってそれでよいとは思わないがいくらか安心はした。
 また、この日は授業変更の関係で、2時間続きで同じクラスの授業があった。
 もちろん休み時間ははさむが2時間も集中させるのは大変。
 でもなぜか2時間目のほうが集中して聞いてくれたような感触があった。
 この日の5・6時間目は林間学校の集会。
 キャンプファイヤーでのフォークダンスの練習だった。
 後ろで生徒といっしょに踊っていたらステージ上のM先生に呼ばれて踊ることに。
 精錬授業2日前という現実から逃避した瞬間である。

5月29日(木)
 いよいよ精錬授業1日前。
 M先生から生徒に話をしてくれたからか、
 生徒も気を使ってくれて会うたびにがんばってと声をかけられる。
 これは上手くやらないわけには行かない。
 M先生は、細かなところまでいろいろと打ち合わせをして下さっただけでなく
 放課後も遅くまで、印刷に付き合ってくれて大変感謝している。
 今日は早く寝よう。

5月30日(金)
 朝、Eさんからのメール。
 いよいよ精錬授業の当日だということを痛感。
 1時間目は空き。しかも精錬授業をやる2年1組は体育のため教室には誰もいない。
 そこで、M先生の提案で、予行練習をやってくださることに。
 ありがたいことである。
 そして2時間目。
 思ったより緊張していなかったが、緊張していないといえばうそになる
 精錬授業は、校長先生、教頭先生、他学年の社会の先生はもちろん
 他の実習生や手の空いている先生が身に来てくださる。
 しかもこの日は学校開放日。保護者の姿が3名ほど。
 ありえない・・・
 なんとか授業を進め、生徒の反応もよい。
 ところが他のクラスではすぐに出た正解がなかなか出てこない場面も、
 もちろん、間違うことも予想していたが、その1歩先をいかれてしまった。
 そんな場面も合ったが何とか50分が過ぎた。
 授業後生徒からは「先生の緊張が伝わって自分も緊張しちゃったよ」とのこと
 いやはや・・・
 そのあと、M先生、Mさん、Mさんの指導教官の4人で30分ほどの
 評議会と称した、私の授業の批評会。
 Mさんの指導教官はM先生とは違うタイプの授業を展開するらしく、
 参考になる話ばかりだった。
 そのあと、校長先生や教頭先生、見に来てくださった先生からも
 参考となる批評をしていただいた。 

5月31日(土)
 今日は土曜日だが学校開放日のため、出勤。
 Mさんの精錬授業がある。
 午後には生徒総会もある。
 しかし、台風接近のため午後の授業をなくし早帰りにするか先生方は迷っているらしく
 あわただしかった。
 しかも今日の生徒総会がなくなっても生徒総会はいつかやらなければならない
 ということはどこかで授業変更があるということになり、
 先生方は自分の教科の授業時間数確保の必要もあり、
 教務主任のS先生が特に大変そうであった。
 でも、私は精錬授業が終わったこともあり
 単純に午後はどうなるのかなと生徒のような感じでいた。
 少なからず気が緩んでいたことも否めない。
 結局、生徒総会はやらずに早帰りになった。
 もちろん、私たちはすぐに帰るわけには行かない。
 Mさんの精錬授業の評議会をやり、そのあと来週の授業についてM先生と打ち合わせをした。
 先生方も各々仕事をしていたが、いつもの勤務時間よりは早めに帰っていた。
 そんな中、教務主任のS先生だけが頭を悩ませて授業変更を考えていた。
 どうやら、生徒総会は水曜日にやるらしい。
 その日は全学年総合の時間かがあり、K君の精錬授業の日でも会った。
 そのときにはじめて知ったのだが、
 中学校の先生は1日1時間以上の空き時間がなければいけないらしい。

6月3日(火)
 昨日は土曜日に授業があったための振替休日。
 実は昨日の月曜日に生徒が2人家に来ていたのである。
 もちろん家の中には入れてはいない。
 精錬授業が終わっていなければ、すぐにつき返したかもしれないが、
 余裕か、気の緩みか、その生徒と一緒に近くのスーパーに行った。
 そしたら、たくさんの生徒と会ってしまい、実習生という中途半端な立場を思い知った。
 そして気が付いたら後4日しか実習期間がない。
 今日が私が授業をやる最後のクラスもあるのである。
 生徒から「寂しい」といわれたのはうれしかった。

6月4日(水)
 K君の精錬授業。しかし残念ながら授業が重なり見ることができない。
 またこの日の午後は生徒総会。
 ちょっと実習生という立場を忘れてしまい、マイクを持って発言するということこそなかったが、
 2年1組の子に、発言を託したりしてしまい、M先生に苦笑いをさせてしまった。
 金曜日が林間学校出発日のため、実質明日が2年生とは最後。
 なのに、帰りの会に別の先生から仕事を頼まれ、帰りの会には参加できず。
 実は昨日の学活も、きょうの総合の時間のうち1時間も出なくてよいと言われていた。
 明日、時間のない中簡単なお別れ会をしてくれるということで、
 その準備なのかなと勘ぐっている自分がいやだったが、
 そんなことはいいから少しでも多くの時間を共有したいと思い、寂しくも思う。
 後で聞いた話だが、給食のときに私への色紙が目の前を通りかけたという。
 まったく気づかなかった。

6月5日(木)
 いよいよ最後の教壇自習の日。
 後から生徒と話したときに、
 「授業のはじめに先生が最後なんて言うから泣きそうになって授業に集中できなかった」と
 よかったかどうかは別としてうれしい限りである。
 そして、林間学校の集会で、私と同じ2年生担当のK君が挨拶をすることに。
 私は途中で言葉が詰まったが、そこでは泣きたくなかったので何とかこらえた。
 給食後、職員室で待っているように言われ、帰りの会の準備ができたということで
 教室へ迎え入れてくれた。
 まずM先生のギターに合わせて「世界にひとつだけの花」、さびの部分は振りつき。
 これは林間学校で歌うらしく、毎日練習していたところ、私が1人で振りをつけていたら、
 みんなでやってくれたという歌である。
 この歌を聞いたとたん耐えられなくなった。
 そのあと学級委員からお礼の言葉、花束と色紙。
 私の挨拶は言葉にならない部分もあったが、途中で止めたくなかったので
 時間をかけて伝えたいことは伝えたつもりである。
 そのあと全員で写真をとってお別れ。
 他の学年は授業をやっていることもあり、感傷に浸っている間はなく、
 早く帰さなければいけない。
 でも、下駄箱で話をしているうちに5時間目が終わってしまった。
 先生方も苦笑いをしながら大目に見てくれたが、明日見送りに行くことを約束し帰した。
 でもうれしい。

6月6日(金)
 本当の最終日。
 いつもよりも早起きし、約束どおり見送りに行った。
 集合から出発までの15分くらいの間、バスの中にいたため、
 バスガイドさんから添乗員と間違えられてしまった。
 ちょっと調子に乗ってしまったかなと・・・
 見送りが終わり、最後の一日が始まる。
 2年生の授業しか持っていないため、教壇実習はない。
 この日は、自習監督4時間と1年生の国語と数学の授業を参観。
 ティームティーチングを参観させていただきとても勉強になった。
 また、3年生や1年生のクラスに行ったのもよかった。
 もちろん、自習監督ということで、ほとんど話はできなかったが、
 1年生のあるクラスは、私が今日が最後の実習だということを知っており
 終わりの号令の際に「がんばってください」といわれたのはうれしかった。
 この日は2年1組に対して最後の仕事が残っていた。
 実は昨夜、2年1組33人全員に対して手紙を書いてきた。
 それを全員の机に貼り付けた。
 自己満足は否めないが、林間学校から帰ってきて代休が終わった水曜日。
 自分の机に張られた手紙を見て彼らはどう思うのだろうか・・・


 今回の実習、私は大変恵まれていたと思う。
 学校、指導教官、学年の先生、その他の教職員、生徒、実習生仲間などなどさまざまな面で
 好条件の中やらせていただいたと思う。
 たくさんのことを勉強できたのも、すべてそれらのおかげだと思う。
 特に指導教官にはかなり親身になって指導にあたってくれたと思う。
 感謝してもしきれない。これは教員になることでしか返せないと思っている。
 今回学んだことは決して忘れることはないでしょう。
 そして、先生、生徒、実習仲間はともに、これからもどこかでかかわりがあると思う。
 先生とは、同僚として、実習仲間とは戦友として、
 生徒とは家が近所でもあり、今でも会ってしまうことも多い。
 どんな出会いにせよ、私の人生の一部の方々には大変感謝し続けていきたいと思う。

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