











76 いじわるスルガ!
放牧地で水がほしいときは、強い者順で水を飲むことができます。 当然、つよい馬が飲み終わらないと、よわい馬達はいつまでも飲めません。
水場を社員の人と通りかかったときに 「スルガいじわるだねー!」 と言われました。 なに??
スルガちゃん、わりと強いようで水飲み場に立っています。 その周りをよわい馬たちが 「水ほしいなぁー」 と、とおまきに立ってる。 スルガは飲み終わったのにどかないようです。 しばらく見ていたら、よわい馬を威嚇して飲ませてあげません。
「飲ませてあげればいいのにね」 「ほんとう」
飽きるまでやってるんだろうなぁ・・・。 一番よわいこが飲めるのはいつだろう。 かわいそうー。
|
77 お外デビュー
ちびちゃん、ついにお外デビューです。
カゼをひくので当歳用の馬服を着せて、
お母さんと放牧をしました。
当歳用でもぶかぶかなので、馬服が歩
いてるみたい。ちびちゃん初めて広い
所に出た からちょこちょこよたよた
歩き回っています。
そのあとをお母さんがくあわてて
くっついています。
ちびちゃん、はじめての
おそとはどぉ?
|
78 ひみつの世界
朝、ユウキはいつも壁に顔をくっつけています。
「ユウキー」 と読んでも見向きもしません。
よくよく見てみると、壁じゃなくて裏戸のすきまをのぞいているの。 「なにがみえるんだろう?」 そっとちかよって一緒にのぞいてみました。 すると・・!そとの世界が見えました! 当たり前のことなんだけど、せまくて薄暗い馬房のすきまから見える外の世界は、いつも見ている外とはぜんぜん違いました。 カゼをひいて外に出れないときに、窓から見える景色・・・・といった感じかな。 放牧されて走り回っている馬が見えます。
ユウキの顔を見ました。 ユウキはそれをただ眺めているだけでした。 目がちょっとさびしそう。気のせい? ユウキのひみつの世界です。
|
79 えらそう
1歳のまっちゃん(おんなの子)はいつもえらそうです。
放牧地でも気に入らない事があると他の子をガブッと、馬入れの時は入り口を占領しています。
「私より先はゆるさないわよっ」 困ったもんです。
朝の手入れの時も、とってもえらそう。
ほかの子は 「ありがとぉー!!」 ってよろこんでくれるのに、まっちゃんは 「とうぜんじゃない」 という顔です。 「おまえほんとに偉そうだなぁー。」 とほかの人にも言われていました。 我が道を行く なのでしょうね。
|
80 いいにおい
馬にさわり始めてまず気になったことはにおいでした。 近くにいるととてもいいにおいがするのです。
よく言う馬臭いというのではありません。
どこからにおうのかなぁ・・・と、においを追跡。
鼻のあたりだ。 でも鼻じゃない ん? もしかして?
口でした。 口臭・・・というのでしょうか。
私はこのにおいがとってもすきです。 いいにおい!
これがほんとの馬のにおいかな。
|
81 まねっこ
ちびちゃん、たくさんおっぱいを飲んで、たくさん寝て、
あっという間に大きくなっています。
馬房の水おけをかじって遊んでいたので、扉をそっとあけてちびをさわりました。 このちびはぜんぜん逃げないのです。 度胸がいいなぁ。 いい事だ。
どれどれ、口の中に指を入れてみました。
いたたっ!! 歯がはえて来てる〜♪ うえの歯はかちっとあったったけど、下の歯はまだ感触だけです。
どうりでおっぱいあげるときにお母さんが痛がるわけだ。 ちびちゃん着実に成長しています。
それから、カイバをやるときにお母さんのマネをして、いっちょ前に飼い桶に顔をつっこんで燕麦を口にしているのです。 前歯がちょこっとだけなのに、食べるふりをしています。 お母さんは子供に飼い桶をゆずって、じゃまにならないように食べています。 一通りマネが終わるとこんどはおっぱいです。 お母さんはちびが飲み終わるまでじっとしています。 飲み終わったら ぱたん と寝てしまいました。 やっとお母さんのごはんの時間です。 お母さん、たいへんだねー。
|
82 いけません
勤めたばかりの頃、お母さん達に栄養をつけてもらおうと、りんごをあげようとしたら、 「だめだよ」 と注意されました。 馬といったらにんじんとりんご。
ずっとエサに入れていたらあげてもいいのですが、突然あげるとおなかをこわすかもしれないという事です。
もしもの為に、おなかをたいせつに。
競馬場に行った馬なら、にんじんを知っていてたべるけど、競馬に行かなかった馬やもらったことのない馬は、あげても食べないんだって。
すこしずつ慣らしていけばいいんだけど、馬もはじめての食べ物には敏感なようです。 何にも考えてないで食べる子や、もともと好きじゃない子もいるけど。
好き嫌いは、人間といっしょですね。
おかあさんにりんごはいけません。
|
83 うらやましい
馬房の寝藁には牧草を使っています。
お馬さん達はお腹がすいたらそれを食べ、眠たくなったら眠ります。 寝ながら牧草を食べてる子もいるのです。 食べ物がベットでちょっとうらやましいな。
|
84 作戦
カゼで厩舎に留守番のバードくん、1日中馬房にいるので暇で仕方がありません。 私の仕事をながめていたり、おしりを壁につけて休んでいたり。 そんなバードくんにも楽しみがあります。 それはご飯の時間です。
ほかの馬房にはエサをいれるのですが、みんなが帰ってきてから一緒に食べてもらうため、バードの飼い桶にはエサはいれません。
飼い付けをしているときバードはもらえると思って、じーっとじーっと私を目で追います。 耳をぴんとこっちに向けて顔はまっすぐ、目もまっすぐ。 そんなかわいい顔したってだめです。 「ちょーだいっ」 この顔は作戦なの。 「・・・・ちょっとだけだよ」 知っていながらも、いつもバードの作戦に負けてしまいます。
そして明日もかわいい顔をするのです・・・。
|
85 むむっ
朝、母さん馬の手入れをしているときに右目がはれぼったいように見えました。
左目はどうだろう? そう思って、左目を見ようとしました。 ・・・このお母さんったら、わたしと一緒に顔を動かすのです。 「むむっ」 右、左、と負けずに目を見ようと頑張ります。 でも、見えるのはお母さんの正面の顔だけ。 コントじゃないんだって(笑)
2人で顔をぶんぶん振っているうちに疲れてしまいました。 「こらっ」 ・・・怒ったら 「すみません」 といい子になったよ。 ちなみに目はもともとクマがある馬で、腫れているように見えるだけでした。 よかった。
|
86 2月 3日 風上へ
今日はとても風がつよい日でした。
こういう日は、お母さんの放牧地で面白いものが
見れます。
風がつよい日は、みんな同じ向きで同じ格好で立って
いるのです。 先頭から最後までずらーっと、ぼーっとし
ています。 放牧の風景といったら馬達が生き生きとし
た様子が思い浮かぶので、はじめて見た時は何が起こ
ったのかとびっくりしました。
だってみんな同じなんだもん。
聞いてみたところ、風上におしりを向けているそうで
す。 風上に顔は、つらいみたい。
しかも、弱い者ほど風上らしいです。 生きる知恵だなぁ・・・。 でも、1歳たちはそんなのおかまいなしで走り
回っています。 子供は風の子ですね。
|
87 親の気持ち
うるさい子やきかん坊な子が育成場に連れて
行かれるときは 「育成でしごかれていらっしゃい!」
と送り出すのですが、おとなしい子やおんなの子の場合
は、とても心配です。
ちゃんとハミをつけられるかしら、鞍付けは我慢でき
るかしら、反抗して怒られないかしら・・・・。
連れて行かないで! と言ったらだめなんでしょうね。
でも、レースで走っている子を見ると感動します。
はじめて自分達が世話をした子が、ターフで走っている
のを見たときはうれしくて、心配で、がごっちゃまぜにな
ってなんとも言えませんでした。
無事に走ってくれただけで、おおよろこびしました。
「こんなに成長して!」 ちび達が人を乗せて走っている
のです!
子を離す親の気持ちが分かる気がしました・・・。
|
88 がんばれー!!
小さく産まれた子と大きく産まれた子では、おおきさが
全然違います。 もう、育成場に行っていないのですが
大きなトキと小さなヤーチャイカがいました。
ヤーチャイカはトキを見上げるほど高さが違います。
いつもトキはヤーチャイカのき甲をかんで押さえつけ、
上から押し倒そうとしていました。
はじめは毎日倒されていたヤーチャイカ、いやになって
きたのでしょう。 でも、力でかなうはずがありません。
・・・そこで必死の抵抗がはじまりました。
ある朝いつものように2頭が放牧されました。
「またはじまるぞ」 日課のようにヤーチャイカを倒そうと
します。 ところが!! 倒れないのです。 4本の脚
でいっしょうけんめいに自分を支えてトキに抵抗しています。 脚は力に耐えようとがたがたふるえていました。
口をへの字にまげて、頑張っています。
「負けてたまるかー!!」 声が聞こえてきそうでした。
格闘すること数分。 トキはあきらめてどこかにいってし
まいました。 やったね、ヤーチャイカ!!
このがんばりは、競馬でも活かされているようです。
|
89 きたない
放牧からかえってきた1歳達は、からだがとてもきたないです。 この寒さで鼻水が出ています。 それを他の子の背中やお尻で拭いているのです。
体がちいさくて拭きやすい子は、かっこうのターゲッで、かわいそうに鼻水だらけです。
“かわいそうだなぁー・・・” と思っていると、
「ひゃーやめてー!」 私にも拭いてくるのです。
私も拭きやすい? こりゃまいった。
|
90 雪浴び
朝、放牧された時にお母さん達は雪浴びをします。
1頭が始めると、つぎつぎにゴロゴロ・・・・。
ゴロンと反対側にも転がってそしてまた反対側に・・・と
上手なおかあさんは雪浴びをしています。
あまり上手じゃないおかあさんはいくらやっても反対側
にはいきません。 しまいにあきらめて起き上がりま
す。 面白いのが、中途半端に反対側にいく馬です。
背中が地面に、4本脚は真上でばたばた。
本人は反対側に行こうと必死なのですが、笑っちゃい
ます。 おなかの赤ちゃんはきっとびっくりしてるんだろ
うね。 明日はうまくいくといいね。
|
*back* *home* *next*