31 11月 20日 びっくりしたんだね 今日は天気が悪かったので、馬達は早く帰りたがっていました。 親馬を入れようと放牧地に行ったら、案の定ちょっと離れたところにいたオパール軍団、私たちを見つけるとずんずん歩いてきました。 ジョーズのテーマがぴったり・・・。 そして入り口で順番に待っていた親馬を蹴散らして 「はやくいれてよ!」 とこわい顔をいていた。 オパールたちがいなくなった放牧地では、次に強い馬がほかの馬に当り散らして(オパールたちにやられた腹いせ?)、まわりの馬達も尻ッぱねやら、走り回るやら大騒ぎになっていました。 その中でも、今年入ったばっかりのペック(お気に入りです)は、興奮しすぎてごろごろ寝だしてしまった・・・。 びっくりしたんだね、ペック。 おばチャン達、こわいねー。
32 それはちがう 飛節(「ひせつ」といって馬の脚の部分で、後ひざの裏側の部分・・・わかるかな)をケガした馬がいて、くすりを塗ることになりました。 馬の仕事を始めてまもなかった子に塗ってもらったんだけど・・・。 「飛節のところにキズがあるからね。」 とセンパイ従業員が言いました。 ちょっと迷っていたけど 「ここですね!!」 と言って塗っていました。 何か変。 そう思って塗っている所をみると、その子ったら夜目に塗っていた。(「よめ」といって飛節に近いところにあります。爪が退化したものらしいです) 「何やってるの!!」 思わず笑ってしまった。 キズに見えないことはないけど、ちがうよって。 馬体名称は絶対に覚えておいた方がいいですね。
33 見慣れているのに いつも見ている馬なのに、むくちを外したところを見ると どきっとします。 服を着ていない感じに見える。 「はだかうま」 とはよく言ったものです。 その馬の本当のかおを見れるので、 「こんなに美人だったんだね」 という大発見(?)もあります。 なにも付けてない馬はほんとうにきれい。 ほっぺのあたりがとってもいいです。 種馬じじの素顔を見たら、惚れなおすかもしれない。 でも、そのままでも十分かっこいいんですよ。
34 11月23日 でべそ 今日はでべその仔馬の手術をしました。 手術といっても、切ったり縫ったりしません。 でべそを輪ゴムで縛って、縛ったさきを腐らせて落とします。 犬やひつじの断尾(だんび)といっしょです。 おなかの下だからあぶないので、専用のでべそ縛り機(ペンチのようなものです)で縛ります。 おなかの下で何かやられるのはいやなもので、回し蹴りをする馬がほとんどなんだけど、今回のちびはがんばりました。 縛られたおへそがぽこっと出ていて、かわいいです。 ほかのちびがおっぱいとまちがって、吸っちゃう事があるけどこれでもう大丈夫!
35 11月24日 入れ替え 馬の入れ替えをしました。 放牧地の関係で、親馬と当歳を交換します。 ちびたちを上の厩舎に連れていく時、ほとんどのちびは 「なにがおこってるの??」 とどきどきしながらも、言う事を聞いてくれました。 上の厩舎に行っちゃって、朝は手入れは出来なくなったけど、寝藁をあげながらちびがよく見えるようになったので、これもまたいいかな。 ちびたちは初めての放牧地で、1日中お守りのお母さん馬にくっついて、かたまりになっていました。 いつもお守りでいてくれるお母さん馬が何頭かいるのですが、上の放牧地でも慣れるまでいっしょにいます。 まだ男の子と女の子は一緒です。 2歳のおんな馬が育成場に行ったら、分けると思います。 馬入れのときは 「はやくもどしてよ!!」 と入り口に群がっていました。 よっぽど緊張していたんだね。 目が充血しているちびもいました。 初めての馬房にもみんなおどろいていました。 前の厩舎まで目と鼻の距離なのに、分からないみたい。 わたしの事も知らない人だと思っていて、全然信用してもらえませんでした。 ・・・かなしい。
36 コンビ解消?
ちびたちの中で、だんだん気の会う仲良しが出来てきました。 その中の1組、バードとブレーヴくんは親分、子分の関係です。 ブレーヴくんはバード親分を尊敬していて(?)、いつもくっついて歩いています。バードはお兄さん気取りです。
新しい放牧地に放牧したときも、最初に出されたバードは、入り口でブレーヴくんが来るのをじっと待っています。 ほかの馬を放牧するのにとてもじゃまだから、 「あっちいきなさい」 と言っても待ってる。 そしてブレーブくんが来たら、よりそって歩いていきました。 「きのうはよく眠れたか?」 とでも言っているのかな?(2頭の馬房はお互いの顔が見れるように向かい合わせにしています。) 夕方の馬入れのとき、2頭でやってきたのですが、誰かがバードをほかの馬と入れてしまいました(うちは1人で2頭引きます)。 ブレーヴくんはあまり感情を出さないのですが、1人でかなしそうに見えました。 「なんで、バード先にいれたの?」 と聞いたら 「コンビ解消!!」 だって。 そんなー。 写真は左から ブレーヴ、バード です。
37 はじめの一歩 あたらしい放牧地のちび軍団、すこし行けば広い放牧地に行けるのですが、手前の放牧地との境目で立ち止まって、だれも行こうとしません。 おたがいに 「おい、行けよ」 と言ってゴネています。 行きたいんだけど、こわい。 見ているこっちが 「はやくいきなさい」 と言いたくなってしまいました。 結局、この日は広い放牧地に行けませんでした。
38 馬肥ゆる・・・ 最近厩舎にくるハトの、肉付きと毛づやが異常にいいです。 そして、みーちゃんもふっくらとしてきました。 当て馬(繁殖牝馬の発情を調べるための馬)のリーダーも、最近すっごく肉付きがいい。 「馬肥ゆる秋」 の間に、そうとう栄養をたくわえていたみたい。 ハトもみーちゃんもリーダーも、きびしい環境のなかで、もらえる栄養は全て体に吸収していたようです。 みんなえらすぎ。 リーダーは、燕麦(馬にあげるエサの1つ)だけでよくもここまで。 たまにナイショでりんごをあげているんですけど(別におこられないのですが)、スパルタ(?)のほうが、丈夫になるみたい。 じゃあ、ほかの馬も・・・という訳にはいかないのですけどね。 一応、商品なので・・・。
39 11月30日 シュークリーム 朝から粉雪が降っていました。 ケーキに粉砂糖をふりかけるときのように、さらさら降っていた。 ちびを放牧するために引いていたら、放牧地につくまでのほんのちょっとで、こなゆきがいい感じで体に降りかかりました。 はいっ シュークリームのできあがり! おしりの当たりがおいしそう♪
40 見つめないで 朝担当の厩舎に、2歳がきました。 ひさしぶりの手入れです。 最近親ばかりの手入れなので、感想は 「肌のハリがちがう!!」 でした。 やっぱり若いってこうなのかしら。 女の子なので手入れをすると、うっとりして(?そうみえるの)、じいーっとじいーっとこっちをみつめます。 そのラブラブ光線はやめてっ!
41 「レイキ」 とは 仕事を始めたばかりの頃、 「レイキ持ってきて」 とよく言われました。 レイキ・・・ なんだろう? 「それそれ」 そう言った先には 「くま手」 が。 くま手の事を「レイキ」 というらしいです。 誰も くま手 とは言いません。 レイキ ってどう書くんだろう。 なんで レイキ なんだろう? 方言なのかな。 いまだにナゾです。
42 ミステリーサークル ちびたちが放牧地の奥から帰ってこないので、呼びに行きました。 行って見ると、ちびたちが団子になっていた。 よく見てみると、こわくて帰ってこれないみたい。 「誰かが行くだろう」 とおたがいに思っているらしくて、動いたちびのあとにみんな続いています。 なんでだんごになっているのか。 そう、みんなお互いが先頭で、前に進んでいると思ってぐるぐる回っていたのです。 お互いのおしりにくっついて、ずっと回っていました。 ミステリーサークルみたい・・・。 わたしを見つけると、 「おっ!!」 とちび達がいっせいにこっちを向きました。 「お前、行けよ」 「お前が行けよ」 まだやっています。 勇気あるちびがこっちに来ました。 えらいっ ラブリーちゃん! ラブリーを引っぱって歩き出すと、みんなあわてて付いてきました。 おうまの行進です。 そして、入り口までみんな付いてきました。 「今日のがんばった!」 は、ラブリーでした!
43 ほっとする? 放牧から帰ってきてみんなはエサを食べるのですが、あるちびは変わった事をします。 それは馬房に入ったらエサよりも先に、飼い桶(かいおけ)におなかをのっけるのです。 うちの飼い桶は丸くなく、「たまにっき」の表紙にあるような長い飼い桶なので、おなかをのせやすいみたいです。 ななめになって 「よいしょ」 と、おなかの当たり具合を確認して、じーっとしています。 しばらくしてからエサを食べて、またおなかを乗せます。 飼い桶と壁にはさまっているちびもいます。 どうしてそんなに変な格好をするのかな。 この2つの馬房にはいる馬だけそういうことをするので、何かあるのでしょうね。 2歳になってもやってる馬もいます。 おなかが重たいわけでもないし・・・。 でも、乗せているときのなんともいえない顔をみると、 「そうなの?」 と思います。 ほっとするの?
44 狙われている!! ペック新米お母さんは、へんに臆病です。 馬房の中で 「何か、うしろにいる!!」 と思い始めたら、とてもうしろを気にします。 なにもないのに一人馬房で暴れています。 音もしないのに、突然うしろを向いて 「!!!!」 とビックリして、「こわいこわいっ」 と白目をむいてどきどきしてる。 おちついたと思ったら、また同じ事のくりかえし。 私たちは、 「またペックがねらわれてるよ。」 と言って笑っているのですが、本人は本気です。 ペックには私たちには見えないものが、見えているのかもしれないなぁ。 ペック、何が見えるの?
45 もちはな 馬の鼻は、いろいろあります。 「どの馬がいい鼻してるかな」 とか、ほっぺをあてると ほわ〜ってしてきて、しあわせになります。 たまにほっぺをかじられそうになるけど、そこは上手くかわします。 冗談で噛む前(←ポイント!)には 「シャクッ」 と音をさせるので、それがよける合図(?)です。 やけにかたい鼻の馬や、ひげでぼつぼつしてる馬、そしてわたしがだいすきなやわらかい鼻の馬、それぞれです。 やわらかい鼻は、アイスの 「雪見大福」 のような感触で、もちもちしていてとってもしあわせです。 一緒に働いている人の間ではもち肌ならぬ、 「もちはな」 と言っています。 あの鼻がたまんないんだなぁ。
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