筑豊見墳録
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七夕池古墳と桜 |
2002年3月は二週連続して九州行き、二週続けて久々の寝台特急での旅になりました。21:32大阪を発ち、鹿児島本線黒崎駅を降りたのは翌朝5:21、海の香りのする生暖かい風が強く吹いていました。折尾駅で筑豊本線に乗り換え直方駅に着いたのが7:00前、外は横殴りの大雨今回ばかりは晴れ男の神通力も通じなかった様です。直方でレンタカーを借り初日は鞍手町から田川市、川崎町などの古墳を中心に廻りました。朝の内酷かった雨も11時頃には止み、その後は時折晴れ間も覗くまでに回復しましたが、午後からは黄砂の影響で太陽も霞みおかしな天気でした。筑豊の古墳を廻るのは今回で2度目、前回は寿命王塚古墳や竹原古墳など有名古墳のみを廻りましたが、今回はどちらかといえば地元以外ではあまり知られていない古墳達、しかしいざ見学すると度肝を抜かれるような立派な古墳ばかりでした。その中でも特に夏吉古墳群の石室は見応え満点、5基の石室を見学することが出来ましたが、いずれも立派な石室で北部九州の代表的な形態の石室を堪能することができました。
翌日は朝から冷たい雨、午前中筑豊西部の古墳を廻り午後から福岡市域の古墳を見学、20年ほど前、8ヶ月ほど暮らした福岡市南区の古墳も廻り、「桧原」「屋形原」など懐かしい場所を地図で見つけ、当時は全く古墳などに興味がなかったため知らずにいた古墳達を見学してきました。この日はあまり内部見学できる古墳はなかったのですが、夫婦塚古墳の石室には感動、福岡市の西の外れ、山の麓の水田の中に竹藪囲まれていましたが、巨石で構築された複室構造の横穴式石室は圧巻でした。才田古墳群のメインを見逃したりと細部では悔いが残るものもありましたが概ね満足できる古墳巡りでした。
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筑豊の横穴式石室 |
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新延小学校古墳(福岡県鞍手郡鞍手町新延) |
新延小学校古墳・天井 |
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岩屋古墳(福岡県田川郡糸田町糸田) |
戸原1号墳(福岡県田川郡川崎町大字安真木) |
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寺塚観音山古墳(福岡県福岡市南区寺塚2丁目) |
合屋古墳(福岡県鞍手郡小竹町大字御徳) |
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小正西古墳・1号石室 (福岡県嘉穂郡穂波町大字小正) |
小正西古墳・2号石室 |
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新延小学校古墳や、次に示す夏吉3号墳、35号墳と類似した形態の横穴式石室で、ドーム状の天井と胴張りの平面プランは、筑後川中流域三納山北麓に集中して認められる一連の石室と類似している印象を受けました。岩屋古墳や戸原1号墳は、合屋古墳は複室構造の横穴式石室、合屋古墳では石材が彩色されているようでした。小正西古墳は一墳丘二石室墳で二基の石室が直行して存在しています。 |
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夏吉古墳群(福岡県田川市夏吉) |
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1号墳 |
1号墳 |
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2号墳 |
2号墳 |
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2号墳・奥壁 |
2号墳・玄室天井石 |
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21号墳 |
21号墳 |
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3号墳 |
3号墳・天井石 |
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35号墳 |
35号墳・天井石 |
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夏吉1号墳の石棚。左側壁から舌の様に出ています |
今回の見所はなんと言っても夏吉古墳群。初めて筑豊の古墳を見学した時に近くの伊方古墳までは訪ねたのですが、その時はこの古墳群の存在すら知りませんでした。これ程立派な石室、田川市はもっと一般人にも知ることの出来るように宣伝して欲しいものですね(^^)。でも古墳の状態はすこぶる良好、何時までも大切に保存して頂けるよう願っています。
夏吉1号墳は、直径14m・高さ3.5mの円墳で、石室は全長8.2m、橘塚タイプでの石室ですが、玄室の平面プランは正方形となっています。この1号墳は側壁に石棚を持つ珍しい石室で、同様の形態のものは、他に鞍手郡宮田町百塚1号墳が知られるのみと言われています。
夏吉21号墳は直径25mの円墳で石室は全長12.5mの規模を持ち田川地方でも最大規模の石室です。1号墳と同様橘塚タイプの横穴式石室で、花崗岩の巨石で構築されています。奥壁は一枚石でその高さは床面から2.62mもあります。
夏吉2号墳は直径約21mの円墳で、1号、21号墳と同様に橋塚タイプの石室を持ち、規模、構造ともに21号墳に近似しています。
これらの三基の古墳と同種の石室墳として夏吉古墳群の近くにある方城町伊方古墳が知られていますが、この石室では前室が玄室とほぼ同形同大と特異な石室で、羨道が高くなり、前室・玄室の天井高が相対的に低くなっています。また夏吉古墳群では、3号墳と35号墳の様に四壁を持ち送る穹窿状石室も知られ、35号墳は長方形プラン、3号墳が正方形プランの平面系を持ちます。この様に夏吉古墳群では、橘塚タイプの石室が多く見られ、特に夏吉2号墳、21号墳、伊方古墳では、奥壁が一枚石で構成されますが、その上段に薄い石材をかませて、その石材を内側にわずかに突出させるという共通の構築法がみられます。
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夫婦塚古墳(福岡県福岡市西区金武) |
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直径30m・高さ4.5mの円墳で、全長11.5mの複室構造の横穴式石室が南向きに開口しています。玄室は各面とも一石ずつの巨石で組み立てられています。「夫婦塚」の由来は、同じ様な円墳が二基肩を寄せ合うように並んでいたことによります。現在残るのは2号墳、1号墳は発掘調査の結果直径20m、石室全長10.5mの円墳であったことが判明しました。両者とも6世紀後期の築造と考えられています。 |
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