固定観念が渦巻いたサッカーW杯
日本と韓国との共催で行われた2002年サッカー・ワールドカップはいろんな波乱や予想もつかない結果が大変多かった大会でした。前大会優勝のフランスが1点も取れずに予選敗退、同じく優勝候補のアルゼンチンも予選敗退、韓国の大進撃など我々の予想をはるかに越えていました。
しかし、自分達やマスコミはすごく偏った情報や固定観念で各国の代表チームを評価し、結果を予想していたと思います。そこで、今回のW杯を「固定観念」をキーワードに、自分なりに振り返ってみました。
ドイツ![]()
ゲルマン魂と言葉で精神力を評価されるドイツも、日本国内はもちろん世界的にはその確実的なサッカーは「面白味がない」ということであまり良い評価を受けていません。今回は勝ち進み、残りのチームが少なくなってきて最後の最後の方でやっとカーンのおかげで注目されてきました。近年の成績と地区予選の結果があまりよくなかったため、もちろん下馬評はあまりよくありませんでした。しかし、自分は96年のヨーロッパ選手権の記憶が残っていたので、評価が悪くても結果を残すチームとしてのイメージが強くありました。その時はチームの高年齢化により高い評価は得られなかったものの、優勝を成し遂げました。W杯もその傾向があり、今回も地区予選で苦しんだブラジルとドイツ両国が決勝に勝ち進みました。
イタリア![]()
カテナチオ(かんぬき)と表現され、イタリアのサッカーは堅い守備をイメージされてきています。確かに守備的な戦術だからといって必ずその守備面の結果が伴うわけではありません。実際に今回は4試合で5失点記録しました。それでもマスコミは強固な守備陣を崩せるかという表現でゲームを予想していました。地区予選までの3−4−1−2から4−4−2にシステムを変更してきましたがその4バックはラインを押し上げてコンパクトにするわけでもなく、そして中盤も決して攻撃的とはいえません。しかし、マルディーニの衰えなどもあってそれほど硬い守りとは思えませんでした。
スペイン![]()
「無敵艦隊」という表現はいつまで使われるんだろう。確かに国内リーグはおもしろいしそして強い。しかし代表チームとなると、無敵艦隊に伴う結果は出ておらず、最強は誇れないと思います。
アイルランド![]()
チームの中心選手、ロイ・キーンが直前で戦慄を離れ、世間の評価は大きく下がりました。しかし、チームは危機感からかすごくまとまり、評価を裏切ってベスト16に残りました。特にドイツ戦では0−1から終了間際に追いつくという、ドイツのゲルマン魂のお株をうばう結果でした。
アメリカ![]()
自らも固定観念をもっていました。94年はベスト16とはいえ自国開催、98年は予選リーグ敗退。今回もパッとしないと思ってましたが、よもやのベスト8。内容もよく、ドイツ戦では負けたものの十分ドイツを苦しめました。勝った直後のドイツの安堵感というかホッとした表情が印象的でした。サッカー後進国という印象ははたしていつまで持たされるのでしょう。
セネガル![]()
開幕のフランス戦、セネガルの勝利を予想していた人は少なかったと思います。開幕戦には波乱が多いというデータを踏まえたとしてもです。先に行われたアフリカ選手権では決勝でカメルーンに惜しくも敗れ、その優勝者のカメルーンは遅刻騒動や中津江村の影響で人気も出ましたが、予選リーグで敗退してしまいました。そしてその大会準優勝のセネガルがベスト8進出です。一方、報道ではセネガルのフランス人監督、ブルーノ・メツは自由奔放なアフリカサッカーに戦術や規律をミックスさせ植え付けたとされていますが、実際は戦術面はほんの少しの指導で、特に攻撃に関しては選手の創造性にまったく任せているようです。練習でもフォーメーションの練習は全くしていませんでした。
おまけ
それがサッカー、それがW杯といえばそれまでですが、本当に大方の予想を覆す波乱の大会でした。決勝のブラジル−ドイツも、3R(ロナウド、リバウド、ロナウジーニョ)とカーンの影響で、攻めのブラジル守りのドイツと表現されました。しかし、試合が始まってみれば、サイドのカフーとR・カルロスは上がらずにじっと守備に徹していて、守りのブラジル。片やドイツは前半から積極的に攻め上がっていました。
予想するのはたいへんおもしろいのですが、固定観念や偏った情報にとらわれずに予想し、楽しく観戦できればいいなと思います。
|
|