逆転的思考

ある町に商人がいました。

その商人には10代の綺麗な娘がいたのですが、

彼は大きな問題を抱えていたのです。

それは高利貸しによる莫大な借金。

当時、その地方では莫大な借金を抱えたものは刑務所行きという法律でした。


高利貸しは商人にある提案をしました。

「借金をチャラにしてやる、その代わりに娘を嫁によこせ」

そんな条件は飲めない商人。

しかし、このまま借金を返済できなければ刑務所に入れられ、

娘は飢餓をむかえてしまう。商人は悩みました。


そして、ずる賢い高利貸しは娘にこんなことを言い出しました。


「じゃあ賭けをしよう。この空のバッグに道ばたに落ちている

白い石と黒い石を入れる。そしてお前が石を選べ。

その石が白い石ならば、お前のことは諦め、借金も無しにしよう。

ただし、黒い石ならば、借金は無しにするが変わりにお前を嫁にいただく」


そしてこんなことも言いました。


「選ぶのがイヤならかまわない。父親が刑務所に送られ、お前は餓死するだろう」


確立は5:5。娘は悩みました。

そこに高利貸しが現れ、空のバッグを持ってきました。

しかし、ずる賢い高利貸し。

白い石ではなく、黒い石を2個バッグに入れました。

最初から娘を嫁にするつもりだったんです。

ですが、娘はその行為に気がついていました。

しかし、不正行為について、高利貸しに問い詰めはしなかったのです。


「わかりました。石を選びます。」


不適な笑みを浮かべる高利貸し。

娘は落ち着いた様子でバッグに手を入れます。

石を選び、袋から手を出した娘が


「あらイヤだ!私はなんて不器用なのかしら!」


どうやら娘は選んだ石を落としてしまいました。

他の石にまぎれ、娘が選んだ石の色はわかりませんでした。


「何をやっているんだ!どっちを選んだかわからないじゃないか!!」


高利貸しは怒りますが、娘は落ち着いた様子。

冷静にこんなことを言いました。


「申し訳ありません。でも大丈夫です。

バッグの中を見れば私が選んだ石の色がわかりますわ」


ようやく高利貸しは自分の過ちに気付きました。

そう。不正行為さえしなければまだ嫁にする可能性はあったのです。

なぜなら“本当に”5:5の確立なんですから。

娘の知恵で、100%危険な賭けが100%安全な賭けになったのです。



と、いうお話でした。

オチはわかりましたか?もし、わからない人のために説明しましょう。

高利貸しは絶対に嫁にもらうため、黒い石を2つ入れましたよね、

それがそもそも間違いだったんです。

高利貸しが不正をしようがしまいが、最初の条件で

バッグの中には石が2つ(白と黒の石)入っているはずです。

仮に娘が黒い石を選べばバッグには白い石が残ります。

娘が白い石を選べばバッグには黒い石が残るはずです。


もうおわかりですね?

では、最後にバッグの中を見た娘さんに話を聞いてみましょう。


「バッグの中には黒い石が入っています。ということは私は白い石を選んだわけですね」


どんなに危機的状況でも知恵を使えば切り抜けられ、逆転が可能なんです。

人間に与えられた最強の武器、それが知恵なのです。


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